ウルトラセブンの最終回とリパッティのシューマンピアノ協奏曲

ウルトラセブンの最終回とリパッティのシューマンピアノ協奏曲

ウルトラセブンの最終回。

 

度重なる怪獣達との戦いにより、モロボシ・ダンの身体は限界に達していた。
脈拍360、血圧400、熱が90度近くある状態では精密検査を受ければ自分が人間でない事がわかってしまう。
基地から消えたダンは少年の部屋に隠れるが、少年から連絡を受けたアンヌ隊員がダンを迎えに来る。

 

最後の戦いに挑むモロボシ・ダンが、アンヌ隊員に自らがウルトラセブンであることを告げる印象的なシーンから流れ始めるのが、ディヌ・リパッティのピアノ、カラヤン指揮フィルハーモニア管弦楽団による、シューマンのピアノ協奏曲である。

 

アンヌ隊員の静止を振り切ってセブンに変身するが、フラフラの身体では、パンドンの攻撃に一方的にやられ放題のセブン。
渾身で放ったアイスラッガーもキャッチされてしまい、逆に優勢になったパンドンにジリジリと迫られる。
劣勢状況の中で、パンドンが放ったアイスラッガーを居合い切りのごとく返し、首を切断し勝利を納める。

 

ボロボロの身体で立ち上がり、セブンは故郷に帰って行く。
セブンが飛び立って行くまでの間、シューマンのピアノ協奏曲が流れ続ける。

 

不治の病、リンパ肉芽腫症のため33歳で夭逝した天才リパッティ、そして鬼気迫るこの演奏は、それでなくても名演である。
リパッティの最後のコンサートでは、病状の悪化のため、医師はキャンセルを説得するが、彼は振り切り、赴いた。
そして『僕は約束した。僕は弾かねばならない』と繰り返し、ピアノに向った。
その3ヶ月後、彼は短い生涯を閉じる。

 

リパッティとモロボシダンの共通する、高潔で頑強な精神力が、この作品をより高い水準に作り上げていると言わざるを得ない。

 

ウルトラセブンの最終回とリパッティのシューマンピアノ協奏曲

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